先日、先輩のお子さんと一緒に遊ぶ機会がありましたが、
その時公園でたまたま一緒だった小学1年生の男の子が、
「幽遊白書」を知ってたんですよね。
有名とはいえ、なんだかんだ20年以上前の漫画です。
なぜ知ってたのかを聞いてみたら、
スマホゲームの「モンスターストライク」に出ていたそうなのです。
いわゆるコラボってやつですね。
こうして有名な過去のコンテンツは紡がれていくのかぁ。
と感心したと同時に、小学1年生でモンストやってるの?
って違和感を覚えたりしたところから、
ギャンブルやゲームに依存してしまう社会の仕組みについて思い至りました。
少し掘り下げて考察してみたいと思います。
こどもの遊びとギャンブル性
現在のゲームに対する30代おっさんのイメージ
僕もパチンコパチスロだけじゃなく、
数年前には結構スマホのゲームにもはまっていました。
ソーシャルゲーム、という言い方はきっと正しくないのでしょうが、
いわゆる、基本無料で課金をしていくタイプのゲーム。
パズドラ、白猫、スクフェスあたりをかなりやりこみ、
5分ほどで30,000円くらいガチャにつぎ込んでしまい、
パチスロよりも早く金を消費する経験を何度もしております。
なので、
「とても金のかかる危険性のある、
自制できる大人が楽しむためのゲーム」
というイメージを持ってしまっていたのですよね。
だから、小学1年生で
そのようなゲームに手を出させてしまって良いものだろうか。
と、ちょっと気になってしまったのです。
30代おっさんが子供のころのゲーム
ただ、テレビゲームということで言えば、
僕だって小学1年生のころからやってました。
ファミコンは僕が生まれる前からありましたし、
スーパーファミコンは僕が小学1年生の時に発売されています。
すぐには買ってもらえませんでしたが、
買ってもらっている友達の家に遊びに行ったりして、
スーパーマリオやら、ファイナルファンタジー4やらを
ワクワクしながら遊んだ記憶があります。
だから、小学1年生がスマホゲームを遊んだって不思議じゃないですよね。
自分も歩んだ道なんです。
また、当時はバブル期ということもあってか、
スーパーファミコンのソフトなんて、1本1万円前後してました。
それにくらべたら、ペアレンタルコントロールさえ徹底すれば、
ソフト料金がかからないのですから、
親としても昔に比べて実に経済的なおもちゃなんですよね。
その子はスマホそのものは持っていないようだったので、
親のスマホかタブレット端末を遊びの時だけ使って、っていう形なのでしょうね。
この辺は、今現在の小学生くらいのお子さんを持つ親御さんは事情をご存知でしょうか。
まあ、とにかく子供の頃からゲームが近くにある世代、
と言う意味では、今の小学生も30代も大きく変わりません。
ノスタルジーに訴えかけ、大人から搾取するガチャ
子供には遊ぶ時間がたくさんあります。その代わりお金はありません。
時間を使うか、色々工夫しながら、
きっと無料のままゲームを楽しむ術を持ってるのでしょう。
けれど、大人にはお金がありますが、子供のような時間はありません。
また、フレンドと遊ぶことでボーナスが得られるようなシステムにも、
なかなか協力してくれる周りの友人はいないでしょう。
そんな中でゲームを楽しむためには、課金という手段を使いたくなります。
そして、その課金の方式は、ガチャという、
昔の駄菓子屋にあったような機械を連想させるもの。
あるいはカードダスとかですかね。
いずれにしても、お金を持っている大人層に馴染みのあるものを使うことで、
課金システムが(企業にとって)うまくいっているのだと思います。
各種ギャンブルも我々世代に深く浸透していた
スマホゲームの課金に限らず各種ギャンブルも、
思えば我々の子供時代から馴染み深いものでした。
テレビゲームでいえば、マリオUSAはステージ間にスロットがありましたし、
ドラクエシリーズにはカジノがあります。
ファイナルファンタジーシリーズでは、ギャンブラーという職業すらあり、
スロットを使って攻撃をするなんてこともありました。
ダービースタリオンは、もろに競走馬を育成するゲームですね。
テレビゲーム以外にも、コリントゲーム、スマートボールなどは、
工作のテーマになったり、温泉街の代表的な遊びの一つですし、
ドンジャラやジャラポンなど、
子供向けアニメのキャラが描かれたいわば子供向け麻雀もあったわけです。
そういったゲームやおもちゃを経験することで、
ギャンブルに対するハードルが下がり、
少なくとも、パチンコやパチスロ、麻雀といったものが、
全く得体の知れないものだという日本人の方が稀だと思われます。
ギャンブル業界の巧みなマーケティングの賜物とも言えるかもしれません。
カリギュラ効果を利用した裏のマーケティング
カリギュラ効果とは?
ひとことで言うと、
「禁止されるほどかえってその行為をやってみたくなる心理現象」
のことです。
まあ、例を出すまでもなくわかるはずですが、
特に男性であれば、まあ若い頃にアダルティなコンテンツに興味が沸いて、
見てはいけないとわかっていながらも見てしまうことによって、
大人になってから見る以上の興奮と感動があったのではないでしょうか(笑)
子どもの頃に植えられた種が、将来金の花を咲かす
タバコ業界の裏のマーケティングについて、
以下の本に書かれていたので知りましたが、
青少年には、背伸びをしたい、早く大人になりたいといった心理的傾向があるのですが、これを利用しています。ある研究では、「タバコは二十歳になるまで吸ってはいけない。これがルール」という広告は、子どもたちにかえって吸いたい気持ちを与えていると報告されています。
第1章 P.35 より抜粋
上記の心理的効果と、前述のカリギュラ効果が合わさって、
タバコ会社は未成年をターゲットにマーケティングしているというのです。
未成年のうちに吸った銘柄というのは、
大人になってからも特別な思い出となって印象づけられますので、
一生の顧客になってくれる可能性が高いのです。
ライフタイムバリューで考えたら、
未成年をターゲットにするのは当たり前の話だったのです。
パチンコをはじめとした賭け事も、
未成年(18歳未満、高校生以下)は禁止となっています。
でもタバコやアルコールと同じく、
カリギュラ効果と背伸びしたい心理によって、
よりやってみたいという渇望が現れます。
しかも、前述のように、
おもちゃやゲームでやり方はある程度知っているものです。
はじめは恐る恐るでも、先輩にでも連れて行ってもらって、
一度やり方を覚えてしまえば、あとはもう簡単にできてしまいます。
こうして未成年のうちに始めた賭け事も、
タバコと同じく大人になっても特別なものになるでしょう。
そして、それが依存へと繋がっていくのです。
搾取されないために必要な知識と心得
タバコ業界の未成年をターゲットにしたマーケティングが、
「悪魔のマーケティング」
と、呼称されていたりしますが、
基本的に、その行為に対して年齢的な制約があるものについては、
すべて、このカリギュラ効果と青少年の心理を利用していると言っても過言ではありません。
そして、大人になって自制して楽しむならOKというロジックを破綻させて、
依存へ導くことで大きな利益を得ている業界でもあると思うのです。
そういった、悪魔のマーケティングの誘惑から逃れる術を僕は知りません。
逃れられずにハマってしまった者の一人ですから。
けれども、仕組みを一度知ってしまえば、
何だか悔しい心理が働いてこないでしょうか?
自分がギャンブルやタバコなどの嗜好品で浪費してしまうことは、
すべてマーケティング活動によってコントロールされた結果なのです。
そう考えると、バカバカしくて抜け出したくならないでしょうか?
今一度、むかし持っていた青少年の反骨精神でもって、
悪魔のマーケティングに対抗する術を考えてみてはいかがでしょう。
また、僕には子どもがいないので実感が湧かないのですが、
お子さんや身近な人が、こうしたマーケティングの餌食にならないような、
予防線を張ることは必要になってくると思います。
これも具体的な方法は思いつきませんが、
でも青少年が持つ反骨精神を逆に利用して、
その反抗が誰かの言いなりになってしまうことに変わりない、
という事実をそれとなくにおわせるのが良い気がしています。
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